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2022/02/28 15:18
やどかり出版は,1979年に雑誌『精神障害と社会復帰』を創刊した.精神障害のある人を地域で支える法制度がなかった当時,各地の地域精神衛生活動や,地域に暮らす当事者の声を発信し,暮らしの場を精神科病院から地域へという主張を伝えていった.
1996年には,当事者が当たり前に「街の中で生きる」ことの実現を目指して,『響き合う街で』へと改題.以降,精神医療の実態を発信し,弱者を切り捨てるような社会に警鐘を鳴らし続けてきた本誌は,2022年2月に100号を迎える.
100号の節目にあたり,本誌は99号~101号の3号にまたがる連続特集を企画した.
本誌はこれまで,「歴史から謙虚に学ぶ」「現状を正しく捉える」「改革に向けた理念を共有する」という3つの軸で特集を企画してきた.
今回の連続企画もこの3つの軸を基本とし,99号「精神保健福祉とメディア」,100号「精神保健福祉のボトルネック」,101号 「精神保健福祉のブレイクスルー」という特集テーマとした.本特集では,精神保健福祉の問題は「精神保健福祉」という特定の領域に限定されるものでなく,社会構造全体の縮図でもあるという問題意識のもと,いのちと尊厳をめぐる課題として捉え,目指すべき姿と,その実現への道筋を考える機会としたい.
<3号共通企画> 【開拓者のまなざし】精神保健福祉を切り拓いてきた先達に学ぶ 【Overture】各号のテーマを象徴するような詩や芸術作品から問題意識を共有 【異見と異論の交差点】特集テーマをめぐる50人アンケート 【Crosstalk】当事者,家族,専門職など多様な立場から,特集テーマを議論 藤井克徳×加藤康士×寒川吟子×林あおい×上東麻子×福田祐典 |
99号(2021年11月発行)―特集 精神保健福祉とメディア
■第1部 精神保健福祉をめぐって メディアの報道とその影響
■第2部 いのちと尊厳をめぐって メディアの使命
■第3部 『響き合う街で』が発信してきたこと・使命
100号(2022年2月発行)―特集 精神保健福祉のボトルネック
■第1部 精神保健福祉をめぐって 精神保健福祉施策の20年
■第2部 いのちと尊厳をめぐって 忘れてはならない21世紀の出来事
■第3部 日本社会に通底するボトルネック
101号(2022年5月発行)―特集 精神保健福祉のブレイクスルー
■第1部 精神保健福祉をめぐって 夢を夢で終わらせないために
■第2部 いのちと尊厳をめぐって 歪み社会をどう生きるか
■第3部 『響き合う街で』宣言 2022
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