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2022/06/28 14:45
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以下,やどかり出版Facebookページより抜粋
column (h)
99号から101号にわたる『響き合う街で』100号記念企画は,101号の「響き合う街で宣言2022」で幕を閉じています.
実は最初,本誌編集担当として宣言の草稿をまとめてみたものの,何だか文章にインパクトがない! 加えて何を言わんとしているのかわかりづらい……宣言は3号の記念企画を通じて何を学び,これから何を発信していくのか,編集室の決意を読者に示すもの.そこから議論に議論を重ね,宣言は完成しました.
先日,やどかり出版のホームページで「編集長からのメッセージ」という動画がアップされました.その動画でも登場している,宣言の一部をご紹介します.
「本誌の使命は,為政者や権力におもねることなく立ち向かい,多様な人々の声に耳を傾け,正義や公正を基本に,社会のあり様を問い続けることだ.日本の精神保健福祉の抜本的改革は,この社会のありようを問うことでもある.生きづらさが蔓延する社会を変革することに寄与する精神保健福祉改革であらねばならない.私たち『響き合う街で』編集室は,小さくても鋭い鈴の音を,遠くの街まで響かせていきたい」
この決意を胸に,本誌の制作に携わっていきたいと思います.
column (知)
100号記念連続企画の最終号『響き合う街で』101号のご紹介です.
99号,100号,101号と3号共通の連続企画である「異見と異論の交差点」では,今号も様々な角度からの意見が掲載されています.
障害当事者としての活動が精神保健福祉のブレイクスルー(突破口)になるとの意見も多く見られる中,当事者の力は実際の改革にはつながっていないとの意見もありました.当事者間にも格差があり,声の上げ方も様々です.私個人は,目先の収入ばかりを考えて行動し,障害当事者としての立場を忘れがちです.
そんな私もこうしてFB投稿を任されるようになり,受信精度が悪いながらもアンテナを張り,本を通して自分の考えと照らし合わせることを行うようになりました.
個人的には「Crosstalk」で上東さんが話されていた,100年に1度のパンデミックのような非常事態の時には,民営化された病院で対応するのではなく,医療を公的なものに戻していくという考えに,「いいね!」を押したくなりました.
column (m)
「響き合う街で」3号連続の記念企画が完結しました。編集室では1年以上この企画に取り組んできたので,「ここまで長かったな~」というのが正直なところです。
連続特集であることが伝わるように,いくつかの工夫をしました。毎号の特集テーマについて50人に意見表明していただく「異見と異論の交差点」,それを立脚点として臨んでいただいた「crosstalk」,そして,巻頭には「overture」を置きました。
Overtureは「序曲」とも訳されますが,ミュージカルなどの開演直前に主題曲を流して,客席をその世界観に引き込むものです。「オペラ座の怪人」では,幕が開く前にあの印象的なファントムのテーマが流れ,客席の期待感は一気に高まります。
「響き合う街で」のovertureは99号が「茶色の朝」,100号が「タイタニックの悲劇」,101号が「青春」。読者の皆様と少しでもイメージを共有できたら嬉しいのですが……
column (h)
やどかり出版の精神保健福祉ジャーナル『響き合う街で』101号が発刊となりました.99号から続く100号記念特集は,101号をもって完結です.
今号のテーマは「精神保健福祉のブレイクスルー」,現状を変えていくための突破口はどこにあるのか,さまざまな立場の方から意見を寄せてもらいました.
『隠さないで生きたい!! 統合失調症の娘とともに』(やどかり出版)の著者,岡田久実子さんからは「私が描く精神保健医療福祉の理想像」を寄稿いただきました.原稿は,16歳のAさんの架空体験から始まります.病気になった時,社会で,学校で,家庭で……どんな資源や支えがあればその人らしく生きられるか.岡田さんの思い描く,まさに精神保健医療福祉の理想像が描かれています.こんな社会になったら,いろんな人が生きやすくなるだろうと思わずにはいられませんでした.
日本の精神保健福祉は厳しい現状にありますが,そこで諦めずに未来を思い描くこと,それを誰かと共有すること,実現するために行動していくことが大切だと実感した101号でした.それは私にとって,本誌を創り,発信することでもあります.
column (知)
この投稿がFacebookで公開される頃には,もう既に『響き合う街で』101号が発行されているものと思います.99号,100号,101号と続いた100号記念連続企画も今号でラストです.
装丁という大役を100号記念連続企画という記念すべきところで,私に任せてくださった職員の方々にはたいへん感謝しております.もちろん,何人かで考えたデザインではありますが,各先輩方からバトンを引き継ぐことができ,感慨深いものがあります.
緑,ピンクと続いた表紙のカラーですが,今号は黄色です.ページをめくるとウクライナの国旗と同じ色を使ったページが現れます.
100号記念と時期を同じくして,ロシアによるウクライナ侵攻が始まりました.世界経済の悪化は弱者をさらに苦しめます.核の脅威も感じます.制裁には対抗措置の応酬という国と国との争いには驚きました.手を取り合うことはできないのでしょうか.引くことの勇気も必要だと感じる私です.
column (新刊のご案内)
精神保健福祉ジャーナル『響き合う街で』101号が発刊となりました.
99号から3号にわたってお届けしてきた『響き合う街で』100号記念企画は,今号が最後となります.特集テーマはズバリ,「精神保健福祉のブレイクスルー」.99号・100号と,日本における精神保健福祉の現状と課題に迫ってきました.今号では,精神保健福祉の理想を掲げつつ,その実現に向けて必要な要素を出し合っています.そして,「いのちと尊厳をめぐって」,私たちの生きる社会に目を向けました.なかなか変わらない日本の精神保健福祉,生きづらさを抱える人たちであふれている社会……希望を抱きづらい中だからこそ,現状に向き合い,未来を考えてみたいと思います.
column (定期購読のご案内)
雑誌『響き合う街で』は,101号の刊行に向けて鋭意進行中です.本誌の担当編集になって10年を迎えますが,読者の方と接する機会は多くはありません.しかしその中でも,読者の方の存在にはいつもパワーをもらっています.
「この本(響き合う街で)が私のバイブルです」という言葉は今でも忘れられません.とあるセミナーでは,付箋をびっしり貼って読んでくださっている定期購読者の方に遭遇したことも……その時は思わず握手してしまいました.100号記念企画をきっかけに,定期購読してくださる方も増えました.読者の方に支えられて,今の『響き合う街で』があります.