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見えないけれど 観えるもの
藤井 克徳 著
発行:やどかり出版
A5判258ページ
本体価格2,000円+税
ISBN978-4-904185-17-9
発行年月:2010年10月23日
日本の障害者運動の牽引者の1人である著者藤井克徳が,多くの人にさまざまな角度から障害問題の一端に触れてほしいと本書を発刊した.
本書は,きょうされんの月刊広報誌「TOMO」で執筆したコラム,新聞や雑誌に掲載されたものを編んだものである.大半は,1990 年代半ばから2000 年初頭に執筆されたものであるが,今も変わらず色あせることがない.この時期は,経済や金融を中心に社会が揺れ動き,障害分野を含めて社会保障や社会福祉の分野でも激変期であった.そういう時に,目に見える情報だけでなく,物事の内側や奥のほうを推し量り,本質を鋭く見抜いてきた著者藤井克徳の捉え方を感じていただきたい.
2001 年に視力を失った著者は「物事の本質や本源に迫ろうとする姿は,何にも増して人間らしい行為である」と語る.そして「本質を観る」その手掛かりの1つとして運動を掲げている.本書のタイトルには,そんな著者の思いが込められている.
また,著者はあとがきにて「この本を1人でも多くの人たちに読んでほしい(略)さまざまな素材や角度からの原稿を通して障害問題の一端に触れてほしい」と綴っている.
社会のあらゆることが激変しようとしている今,障害者福祉分野にとどまらず,あらゆる人に本書を手にとってほしい.ぶれることなく,媚びることなく,大切なことを見失わずに前進させていくために必読の書である.
主な目次
1.わが国に生まれた不幸
視点TION リハビリ対策欠く精神医療 都会の中の電話不通地帯 疑問残る医療と福祉の併合 とうとう姿現した「心のケアホーム」 なぜ精神の分裂か 午前3時の電話相談 監禁事件はそこここに これが精神科病院の実態だ 最後となった家族会の全国大会
2.小規模作業所は小さな巨人
視点TION 小規模作業所25 年の経済効果 もう作業所閉じるしかない 穴のあいた靴下をまたはく時 効き始めたボディーブロー 勝手にやっているとは身勝手な言い分 巨人軍・松井選手がホームランを打つたびに W杯と小規模作業所 コミックからスクリーンへ 瀬戸内ヒューマン模様 小規模作業所に異変
3.障害者を締め出す社会はもろくて弱い
視点TION 障害者締め出す復興策はもろく弱い 介護保険制度はこれでいいの 七夕さまは年に1度巡ってくるが 広大な障害者施設不毛地帯 自治体間連鎖, 作業所間連鎖 「4つの無」にどう応える 抱きしめたい入所施設問題 ごまかしだった「選べる福祉」 4つの物差し 漱石が嘆いている
4.対角線モデルの牽引者に
視点TION 対角線モデルの牽引者に 障害者プラン元年に発覚した「女工哀史」事件 政策形成プロセスの違いまざまざ 水増しの実雇用率 経営の神様だって時給300 円? 期待はずれの霞が関ショー 比較から行動へ
5.非力な政治のひ弱な福祉
視点TION 政治の非力さがもたらす5つ目のバリア 成るか本物の統合策 支援費が止援費とならないように 待ち伏せていたのは仕打ちだった 国会がなめられている 驚かなかったファイル隠し事件 甘く見られてる障害部署 白い金魚 火はそのままにしておくと消せなくなる 基礎構造改革とは何だったのか 「厚生省」は素人集団? パックン総理に一言 奥行きのなさ昔も今も
6.自立と運動を考える
視点TION 自立を考える 障害者自立支援法を巡って 何をするかより,誰とするか 問われる障害者自立支援法施行1年の今 廃止を前提に関連立法の再構築を 無念さをエネルギーに
7.交流で見えてくる日本
視点TION 動き出した障害者権利条約 400 年余前の偉業 そがれた愛国心 障害分野でのまともな国際貢献を 新十年へ始動 突然のスウェーデン便り 政策に合理的配慮の視点を
8.背中を押してくれたあの人,あの時
視点TION 地域と人と国の冷たさ エネルギー不滅の法則 苦しかった忍耐実験 想起しよう,すばらしき同志たちのことを 紀ノ川の雄姿 20 世紀を生き抜いてなお余力 出会いが時代を創る
著者プロフィール
きょうされん常務理事
日本障害者協議会常務理事
日本障害フォーラム幹事会議長
内閣府・中央障害者施策推進協議会委員(2005 年1月~)
内閣府・障がい者制度改革推進会議構成員,議長代理(2010年1 月~)
発行:やどかり出版
A5判258ページ
本体価格2,000円+税
ISBN978-4-904185-17-9
発行年月:2010年10月23日
日本の障害者運動の牽引者の1人である著者藤井克徳が,多くの人にさまざまな角度から障害問題の一端に触れてほしいと本書を発刊した.
本書は,きょうされんの月刊広報誌「TOMO」で執筆したコラム,新聞や雑誌に掲載されたものを編んだものである.大半は,1990 年代半ばから2000 年初頭に執筆されたものであるが,今も変わらず色あせることがない.この時期は,経済や金融を中心に社会が揺れ動き,障害分野を含めて社会保障や社会福祉の分野でも激変期であった.そういう時に,目に見える情報だけでなく,物事の内側や奥のほうを推し量り,本質を鋭く見抜いてきた著者藤井克徳の捉え方を感じていただきたい.
2001 年に視力を失った著者は「物事の本質や本源に迫ろうとする姿は,何にも増して人間らしい行為である」と語る.そして「本質を観る」その手掛かりの1つとして運動を掲げている.本書のタイトルには,そんな著者の思いが込められている.
また,著者はあとがきにて「この本を1人でも多くの人たちに読んでほしい(略)さまざまな素材や角度からの原稿を通して障害問題の一端に触れてほしい」と綴っている.
社会のあらゆることが激変しようとしている今,障害者福祉分野にとどまらず,あらゆる人に本書を手にとってほしい.ぶれることなく,媚びることなく,大切なことを見失わずに前進させていくために必読の書である.
主な目次
1.わが国に生まれた不幸
視点TION リハビリ対策欠く精神医療 都会の中の電話不通地帯 疑問残る医療と福祉の併合 とうとう姿現した「心のケアホーム」 なぜ精神の分裂か 午前3時の電話相談 監禁事件はそこここに これが精神科病院の実態だ 最後となった家族会の全国大会
2.小規模作業所は小さな巨人
視点TION 小規模作業所25 年の経済効果 もう作業所閉じるしかない 穴のあいた靴下をまたはく時 効き始めたボディーブロー 勝手にやっているとは身勝手な言い分 巨人軍・松井選手がホームランを打つたびに W杯と小規模作業所 コミックからスクリーンへ 瀬戸内ヒューマン模様 小規模作業所に異変
3.障害者を締め出す社会はもろくて弱い
視点TION 障害者締め出す復興策はもろく弱い 介護保険制度はこれでいいの 七夕さまは年に1度巡ってくるが 広大な障害者施設不毛地帯 自治体間連鎖, 作業所間連鎖 「4つの無」にどう応える 抱きしめたい入所施設問題 ごまかしだった「選べる福祉」 4つの物差し 漱石が嘆いている
4.対角線モデルの牽引者に
視点TION 対角線モデルの牽引者に 障害者プラン元年に発覚した「女工哀史」事件 政策形成プロセスの違いまざまざ 水増しの実雇用率 経営の神様だって時給300 円? 期待はずれの霞が関ショー 比較から行動へ
5.非力な政治のひ弱な福祉
視点TION 政治の非力さがもたらす5つ目のバリア 成るか本物の統合策 支援費が止援費とならないように 待ち伏せていたのは仕打ちだった 国会がなめられている 驚かなかったファイル隠し事件 甘く見られてる障害部署 白い金魚 火はそのままにしておくと消せなくなる 基礎構造改革とは何だったのか 「厚生省」は素人集団? パックン総理に一言 奥行きのなさ昔も今も
6.自立と運動を考える
視点TION 自立を考える 障害者自立支援法を巡って 何をするかより,誰とするか 問われる障害者自立支援法施行1年の今 廃止を前提に関連立法の再構築を 無念さをエネルギーに
7.交流で見えてくる日本
視点TION 動き出した障害者権利条約 400 年余前の偉業 そがれた愛国心 障害分野でのまともな国際貢献を 新十年へ始動 突然のスウェーデン便り 政策に合理的配慮の視点を
8.背中を押してくれたあの人,あの時
視点TION 地域と人と国の冷たさ エネルギー不滅の法則 苦しかった忍耐実験 想起しよう,すばらしき同志たちのことを 紀ノ川の雄姿 20 世紀を生き抜いてなお余力 出会いが時代を創る
著者プロフィール
きょうされん常務理事
日本障害者協議会常務理事
日本障害フォーラム幹事会議長
内閣府・中央障害者施策推進協議会委員(2005 年1月~)
内閣府・障がい者制度改革推進会議構成員,議長代理(2010年1 月~)