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これでいいのか障害者自立支援法・1 障害のある人からのQ&A 緊急出版 やどかりの里は訴える
増田一世, 堀澄清, 渡邉昌浩, やどかりブックレット編集委員会:編
発行:やどかり出版
A5判 118ページ
本体価格900円+税
ISBN978-4-946498-87-9(4-946498-87-7) C0036
発行年月:2006年05月
がらがらっと音を立て,障害のある人への支援の仕組みが壊されていく.スクラップ アンド ビルドなのだそうだ.
戦後,障害福祉を切り拓いてきた先達たちの運動や努力,実践の積み重ねの中で,障害福祉の水準は少しずつ向上し,今がある.もちろん,改善すべき点は多々あるだろう.人間が生きていて,つねにニーズは変わりゆくものであるのだから,さまざまな制度やサービスを見直し,改善していくことは重要だ.
しかし,障害者自立支援法は財源問題に端を発し,なおかつ拙速に進み,その結果これまで培ってきたことをいとも簡単に壊そうとしている.障害福祉の現場では.この「法」から障害のある人たちをどう守るのか,大切に積み上げてきた活動をどう守るのか,そんなことを必死に考えざるを得ない状況が広がっている.また,施設や事業者は,どうしたら経営が成り立つのかを考えるあまり,経営中心の発想に陥りがちだ.
こうした状況の中で,やどかり出版は,障害者自立支援法をめぐる3冊の緊急出版を企画した.1冊目は,やどかりの里を利用する障害のある仲間から,障害のある人やその家族が読みやすい,読んでわかるような本が必要という強い要望で企画された,Q&A形式の1冊である.
目次
はじめに
1 障害者自立支援法ってどんな法律ですか
Q 国はなぜこんな法律を作ったのですか,まるで「障害者いじめ法」だと言う人もいますが,ほんとうはどうなのか教えてください.
Q この法律って,とてもわかりにくいって聞いていますが,一体どんなものなのですか.
2 私たちの暮らしや仕事にどんな影響があるのでょうか
Q いろいろなサービスを利用する時の手続きはどんなふうになるのでしょうか.
Q 医療費の公費負担制度が大きく変わると聞きましたが,どういうふうに変わっていくのでしょうか.精神障害の場合,医療は絶対に必要なものなので,もし,今までより負担が大きくなるようだと,医療が継続して受けられるかどうか不安です.
Q お金がないとサービスが利用できなくなるのですか.
Q この法律は一般企業へ就職させることを大きな狙いにしているようですが,受け入れ側の整備は進んでいるのでしょうか.だいたい,一般就労という考え方がよくわからないのですが,どういうことを言っているのですか.
Q 通所授産施設に通って,グループホームで生活していますが,これは自立とは言わないのですか.
Q もしも一般就労が続かなかった場合はどうなるのでしょうか.やどかりの里ではどうしてくれますか.
3 私たちの負担はどうなるのでしょう
Q 応益負担という考え方が導入されて,施設利用料やサービス料を払うことになると聞いていますが,ずばり,いくらかかるのでしょうか.
1.就労に関する事業
1)就労継続支援事業雇用型
2)就労継続支援事業非雇用型
3)就労移行支援事業
4)就労継続支援事業非雇用型で働くBさん
5)就労移行支援事業の利用を考えているCさん
Q 現在,グループホームで暮らしているのですが,家賃のほかに利用料がかかるという話を聞きましたが,実際にどうなるのですか.
4 施設や地域生活支援センターはどうなるのですか
Q 家の近くに地域生活支援センターがあるので,朝起きるとちょっと顔を出して,職員とおしゃべりをして,一旦帰ってきて,昼食を済ませて,午後のミーティングに出かけます.生活支援センターが変わると聞いたものの,利用料がかかるのか,何が変わってしまうのか,心配です.
Q 私は小規模作業所に通っていますが,作業所はこの法律に関係ないのでしょうか.これから小規模作業所はどうなっていくのでしょうか.
Q 私は今,親からの自立を目指して援護寮(生活訓練施設)を利用しています.この法律で援護寮はどうなるのでしょうか.
Q 現在,週に1回,家の片づけなどを手伝ってもらうためにホームヘルプサービスを受けていますが,今度の法律によってどう変わっていくのでしょうか.
5 この法律のことでもう少し知っておきたいこと
Q 今までの説明の中で,これからは市町村が実施主体になるというふうに説明されていましたが,そうなると,市町村によってサービスの格差が生まれるのではないでしょうか.
1.市町村の役割,考え方
2.これから市町村で取り組まれること
1)障害福祉計画の策定
2)障害程度区分認定調査の実施
3)障害程度区分認定調査審査会
4)市町村での手続き
5)各地の自治体の独自施策の広がり
Q 「所得保障」ということを耳にしますが,具体的にはどういうことを言うのですか.
Q 障害別になっていた福祉の制度を一本化する,いわゆる3障害統合ということが言われていますが,実際はどうなるのですか.
6 障害のある人からのメッセージ
1.「一般就労」することが「自立」なのか 渡邉 昌浩
自立を阻害する「障害者自立支援法」
働くのに不必要な障害程度区分認定調査
利用料を払う労働者なんていないのに
一般就労を推奨はしても保障はしない
屈辱的な自立支援医療申請
問題が出た時にきちんと声を上げる
2.精神障害者の危機感と障害者自立支援法 堀 澄清
障害程度区分認定制度導入で精神障害者はどうなるのか
3.障害一元化はほんとうに喜べるでしょうか施設はどうなるか,そして利用料は
資料
おわりに
著者プロフィール
増田 一世(マスダ カズヨ)
やどかりの里常務理事.やどかり情報館館長.やどかり出版代表.編集者.PSW.
堀 澄清(ホリ スミキヨ)
やどかりの里食事サービスセンターまごころ.やどかり研究所代表.
渡邉 昌浩(ワタナベ マサヒロ)
やどかり情報館.やどかり出版編集部.
1962年埼玉県生まれ.
30代半ばで発病(うつ病).発病する前は,一般企業等で15年ほど働いてきて,発病してからも,ずっと働くことにこだわってきた.何回も一般企業で働くことにチャレンジをしては挫折し,3,4回くり返した後,県の精神保健福祉センター就労準備コースに行く.その後,社団法人やどかりの里福祉工場やどかり情報館のやどかり出版にて,編集者としての道を歩み始める.今の仕事に,とても誇りと充実感を持っている.当事者活動などにも積極的に参加し,現在の福祉情勢に危機感を覚えている.
<主な著書>
これでいいのか障害者自立支援法・1 障害のある人からのQ&A(共著) やどかり出版 2006年
発行:やどかり出版
A5判 118ページ
本体価格900円+税
ISBN978-4-946498-87-9(4-946498-87-7) C0036
発行年月:2006年05月
がらがらっと音を立て,障害のある人への支援の仕組みが壊されていく.スクラップ アンド ビルドなのだそうだ.
戦後,障害福祉を切り拓いてきた先達たちの運動や努力,実践の積み重ねの中で,障害福祉の水準は少しずつ向上し,今がある.もちろん,改善すべき点は多々あるだろう.人間が生きていて,つねにニーズは変わりゆくものであるのだから,さまざまな制度やサービスを見直し,改善していくことは重要だ.
しかし,障害者自立支援法は財源問題に端を発し,なおかつ拙速に進み,その結果これまで培ってきたことをいとも簡単に壊そうとしている.障害福祉の現場では.この「法」から障害のある人たちをどう守るのか,大切に積み上げてきた活動をどう守るのか,そんなことを必死に考えざるを得ない状況が広がっている.また,施設や事業者は,どうしたら経営が成り立つのかを考えるあまり,経営中心の発想に陥りがちだ.
こうした状況の中で,やどかり出版は,障害者自立支援法をめぐる3冊の緊急出版を企画した.1冊目は,やどかりの里を利用する障害のある仲間から,障害のある人やその家族が読みやすい,読んでわかるような本が必要という強い要望で企画された,Q&A形式の1冊である.
目次
はじめに
1 障害者自立支援法ってどんな法律ですか
Q 国はなぜこんな法律を作ったのですか,まるで「障害者いじめ法」だと言う人もいますが,ほんとうはどうなのか教えてください.
Q この法律って,とてもわかりにくいって聞いていますが,一体どんなものなのですか.
2 私たちの暮らしや仕事にどんな影響があるのでょうか
Q いろいろなサービスを利用する時の手続きはどんなふうになるのでしょうか.
Q 医療費の公費負担制度が大きく変わると聞きましたが,どういうふうに変わっていくのでしょうか.精神障害の場合,医療は絶対に必要なものなので,もし,今までより負担が大きくなるようだと,医療が継続して受けられるかどうか不安です.
Q お金がないとサービスが利用できなくなるのですか.
Q この法律は一般企業へ就職させることを大きな狙いにしているようですが,受け入れ側の整備は進んでいるのでしょうか.だいたい,一般就労という考え方がよくわからないのですが,どういうことを言っているのですか.
Q 通所授産施設に通って,グループホームで生活していますが,これは自立とは言わないのですか.
Q もしも一般就労が続かなかった場合はどうなるのでしょうか.やどかりの里ではどうしてくれますか.
3 私たちの負担はどうなるのでしょう
Q 応益負担という考え方が導入されて,施設利用料やサービス料を払うことになると聞いていますが,ずばり,いくらかかるのでしょうか.
1.就労に関する事業
1)就労継続支援事業雇用型
2)就労継続支援事業非雇用型
3)就労移行支援事業
4)就労継続支援事業非雇用型で働くBさん
5)就労移行支援事業の利用を考えているCさん
Q 現在,グループホームで暮らしているのですが,家賃のほかに利用料がかかるという話を聞きましたが,実際にどうなるのですか.
4 施設や地域生活支援センターはどうなるのですか
Q 家の近くに地域生活支援センターがあるので,朝起きるとちょっと顔を出して,職員とおしゃべりをして,一旦帰ってきて,昼食を済ませて,午後のミーティングに出かけます.生活支援センターが変わると聞いたものの,利用料がかかるのか,何が変わってしまうのか,心配です.
Q 私は小規模作業所に通っていますが,作業所はこの法律に関係ないのでしょうか.これから小規模作業所はどうなっていくのでしょうか.
Q 私は今,親からの自立を目指して援護寮(生活訓練施設)を利用しています.この法律で援護寮はどうなるのでしょうか.
Q 現在,週に1回,家の片づけなどを手伝ってもらうためにホームヘルプサービスを受けていますが,今度の法律によってどう変わっていくのでしょうか.
5 この法律のことでもう少し知っておきたいこと
Q 今までの説明の中で,これからは市町村が実施主体になるというふうに説明されていましたが,そうなると,市町村によってサービスの格差が生まれるのではないでしょうか.
1.市町村の役割,考え方
2.これから市町村で取り組まれること
1)障害福祉計画の策定
2)障害程度区分認定調査の実施
3)障害程度区分認定調査審査会
4)市町村での手続き
5)各地の自治体の独自施策の広がり
Q 「所得保障」ということを耳にしますが,具体的にはどういうことを言うのですか.
Q 障害別になっていた福祉の制度を一本化する,いわゆる3障害統合ということが言われていますが,実際はどうなるのですか.
6 障害のある人からのメッセージ
1.「一般就労」することが「自立」なのか 渡邉 昌浩
自立を阻害する「障害者自立支援法」
働くのに不必要な障害程度区分認定調査
利用料を払う労働者なんていないのに
一般就労を推奨はしても保障はしない
屈辱的な自立支援医療申請
問題が出た時にきちんと声を上げる
2.精神障害者の危機感と障害者自立支援法 堀 澄清
障害程度区分認定制度導入で精神障害者はどうなるのか
3.障害一元化はほんとうに喜べるでしょうか施設はどうなるか,そして利用料は
資料
おわりに
著者プロフィール
増田 一世(マスダ カズヨ)
やどかりの里常務理事.やどかり情報館館長.やどかり出版代表.編集者.PSW.
堀 澄清(ホリ スミキヨ)
やどかりの里食事サービスセンターまごころ.やどかり研究所代表.
渡邉 昌浩(ワタナベ マサヒロ)
やどかり情報館.やどかり出版編集部.
1962年埼玉県生まれ.
30代半ばで発病(うつ病).発病する前は,一般企業等で15年ほど働いてきて,発病してからも,ずっと働くことにこだわってきた.何回も一般企業で働くことにチャレンジをしては挫折し,3,4回くり返した後,県の精神保健福祉センター就労準備コースに行く.その後,社団法人やどかりの里福祉工場やどかり情報館のやどかり出版にて,編集者としての道を歩み始める.今の仕事に,とても誇りと充実感を持っている.当事者活動などにも積極的に参加し,現在の福祉情勢に危機感を覚えている.
<主な著書>
これでいいのか障害者自立支援法・1 障害のある人からのQ&A(共著) やどかり出版 2006年